学認クラウドオンデマンド構築サービス

学認クラウドオンデマンド構築サービス(OCS)とは

「学認クラウドオンデマンド構築サービス」では、あらかじめ用意されたテンプレートを指定して実行するだけで、 大学・研究機関が契約しているSINETと連携したクラウドに計算資源を確保し、 その上で動作するアプリケーション環境のインストールや設定までを自動的に行うことができます。 SINETに接続した複数のクラウドを連携したインタークラウド環境に対する教育・研究環境の構築もできます。
学認クラウドオンデマンド構築サービス 概要図

OCS利用で課題解決

世界最高水準の 400Gbps回線ネットワークで有機的につなぎ、約1000機関に及ぶ大学・研究機関等にハイレベルな 学術情報ネットワークSINETにより、さらに高性能な広域ネットワークが利用できるようになりました。 また、「SINETクラウド接続サービス」により、各機関とクラウドを仮想プライベートネットワーク(L2VPN)で 安全に接続してクラウドの計算資源を利用できるようになりました。
しかしながら、クラウドを利用して教育・研究環境を構築するには、次のような「ネットワーク構築の煩雑さ」、 「複数クラウドの計算資源の利用や切り替えの煩雑さ」、「アプリケーション環境設定、環境再構築の煩雑さ」といった 課題があります。「学認クラウドオンデマンド構築サービス(OCS)」はこうした課題を解決するために開発されました。

課題1:ネットワーク構築の煩雑さ

SINETクラウド接続でクラウドの計算資源を利用するには、クラウドプロバイダーによっては複雑なネットワーク接続設定が 必要になる場合があります。また、商用インターネットによるクラウドへの接続も可能ですが、安全な接続を行うには SSL等でL3VPNの設定等が必要となります。

課題2:複数クラウドの計算資源の利用や切り替えの煩雑さ

クラウドプロバイダーごとに利用インターフェースが異なるため、複数のプロバイダーを利用する場合やプロバイダーを変更した い場合、利用者は複数の利用インターフェースに習熟する必要があります。

課題3:アプリケーション環境設定、環境再構築の煩雑さ

クラウドの利用の有無を問わず、アプリケーションのインストールやアップデートは煩雑な作業です。 特にSINETクラウド接続を活用した教育・研究用のアプリケーション環境構築のノウハウは広く流通してないことが多く、 アプリケーション環境の構築やそのチューニングには数週間かかることもあります。 また、クラウドでは一般に計算資源を起動している時間に応じて課金されるため、手間をかけて構築したアプリケーション環境を 何度も破棄し、必要に応じて再構築する作業が避けられないのが現状です。

OCSの概要

本サービスは、「初期導入支援」「オンデマンド構築機能」、「情報共有・問い合わせ対応」から構成されています。

初期導入支援

利用機関の計算資源とクラウドの計算資源をSINETクラウド接続で安全に連携させて使用するには、 利用機関とクラウド間のネットワーク接続設定と、クラウド上のネットワークの設定を適切に行う必要があります。 特にクラウド側の設定はプロバイダーにより異なり、設定箇所も分散して複雑です。 これらの設定作業をNII担当者が後方支援します。

オンデマンド構築機能

クラウドごとに異なる利用方法を統一し、複数のクラウドが利用可能なソフトウエア(仮想クラウドコントローラ)を提供します。 入力パラメータを変更するだけで異なるクラウドの計算資源をオンデマンドで起動、停止することができます。 また、利用者はアプリケーション環境の構築手順をテンプレートとして記述することができ、計算資源の起動から アプリケーションの配備までを自動的に行えます。
配備するアプリケーションの実行環境はコンテナ技術を利用してパッケージ化します。 この構築手順のテンプレート化、アプリケーションのパッケージ化の両技術により、再現性の高い環境の構築を可能としています。 テンプレート化されていないアプリケーションに対しては、利用者が独自のテンプレートを作成するための開発キットを提供します。

情報共有・問い合わせ対応

本サービスを利用するための有用な情報の共有と各種問い合わせに対応します。情報共有では、基本的な計算環境と いくつかの教育・研究目的やSINETを利用したアプリケーション環境について、 テンプレートを公開しています。 利用者は、テンプレートを自身の環境ニーズに合わせてカスタマイズし、利用することができます。

ご利用にあたって

本サービスは、短期大学を含む大学や高等専門学校、国公立試験研究機関、研究または研究支援を目的とする 独立行政法人や特殊法人、学会、学術研究を目的とする公益財団・社団法人及び一般財団・社団法人、 並びに大学に相当する教育施設などが無料で利用できます。なお、クラウドの利用料は利用機関の負担となります。 利用申請方法をご覧ください。

OCSの仕組み

概要

セミナー資料

活用事例、マニュアル等

OCS活用事例

VCP (Virtual Cloud Provider) の mdx サポートに向けた実装と活用例

マニュアル

OCSユーザ登録フォーム

利用環境、試用環境

利用環境

利用機関・クラウドプロバイダ間の接続に加え、SINET関連施設に設置している本サービスのコントローラとの接続が必要です。 SINET接続もしくはインターネット接続が利用できます。 本サービスのクライアントソフトウェアからSINET関連施設に設置されている本サービスのコントローラとクラウドプロバイダ上の資源やサービスを制御し、 アプリケーション実行環境を構築します。

試用環境

本サービスでは、正式に利用を申込む前に、その有用性を確認していただくために、簡単な申し込みで利用できる試用環境を用意しています。 本研究所が所有するサービス環境を利用するため、インターネットに接続できるPCとブラウザがあればお試しいただけます。

利用にあたって

申請条件

利用料金

本サービスは無料です。

留意事項

学認クラウド導入支援サービスが提供する数々のメリットを十分ご活用いただくために、大学・研究機関単位での利用申請をお勧めいたします。 すでに学認クラウドに参加している機関は(新規の参加申請ではなく)変更届を提出してください。

【利用規程】お申し込みの前に

申請にあたっては、以下をご一読・ご同意ください。

利用開始までの流れ

利用申請書

記入にあたっては記入要領をご参照ください。

送付方法

  • 連絡担当者となる方は、学認クラウド利用申請・届出書(押印不要)のWordファイルをeメール添付ファイルにて下記宛先までお送りください。
  • 送付先・お問合せ
  • 国立情報学研究所 学術基盤推進部 学術基盤課 クラウド推進チーム
    Email:
  • 内容に問題ない場合はその旨、申請者となる方および連絡担当者となる方に連絡しますので、申請者となる方は自身による申請に相違ないことを連絡ください。
利用料金はかかりますか?
本サービスの利用は無料ですが、商用クラウドプロバイダなどの利用料は、利用機関もしくは利用グループの負担になります。
学認は必須ですか?
本サービスの管理ツールやWikiページへのログイン認証に必要です。NII OpenIdP IDでも認証可能ですが、若干の制約があるため学認のご利用をお勧めします。
SINETではなくInternetでも利用できますか?
利用できます。しかし、SINETはクラウドプロバイダと直結しており、利用機関とクラウドプロバイダ間の高速かつ安全な通信が可能です。また、プロバイダによってはデータ転送料金の割引があります。SINET接続をお勧めします。
利用グループの全員が本サービスを使えるのですか?
本サービスを利用してクラウド環境を構築できるのはできるのは、VC利用者と呼ばれるクラウド環境構築担当者です。VC利用者は、利用グループの管理者(VC管理者と呼ぶ)が自由に指定でき、利用グループ員全員をVC利用者とすることもできます。なお、VC利用者が構築したクラウドのアプリケーション環境の管理は、利用グループが行います。